備前焼窯元と作家

備前焼を生み出す窯元、作家のご紹介。窯元は六姓・木村家の流れを汲む木村一陽窯、木村陶正園。400人を越えるともいわれる備前焼作家の中から、特におつき合いの深い方について。

 
  備前焼ギャラリー 倉敷一陽窯  
   
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    窯元と作家    
         
   

窯元、作家とは

       
   

備前焼窯元とは、窯を所有する人または組織です。窯元では、どんな作品をいくつ作るか代表者が計画を立て、それに基づいて陶工(とうこう:備前焼をつくる職人)さんが作品を作ります。代表者自身が作家である場合もあります。一般に、窯元では窯焚きは年に4回ほど行われます。形や焼き色の揃った、価格の手頃な商品をまとまった数量で作ることができます。

一方、備前焼作家は自分だけのための窯を持ち、自分で作品をつくり、自分で焼く人です。陶工として修行した後に、独立する方が多いです。窯焚きは通常、年に一度だけ行います。個性のあらわれた味のある作品が魅力です。同じ作品は一度にあまり多く焼かれないため、希少性が高いことも特徴です。窯元に比べやや高価ですが近年非常に人気が高まっています。

     
       
    窯元紹介    
         
   

備前焼窯元

   

木村一陽窯

一陽窯はJR伊部駅前本通りの真正面突き当たりにあり、周囲は老舗の窯元が軒を並べる。広い店舗にはいつもたくさんの作品を展示してあり、多くの愛好家をもつ窯元である。
一陽窯は室町時代までさかのぼる備前焼窯元の六家(窯元六姓)の一つ木村家の流れを汲む。池田藩(現在の岡山県)の筆頭御細工人を務めた木村長十郎が始祖。13代目木村長十郎友敬の次男木村一陽が1947年に木村総本家興楽園から独立して一陽窯を創設した。一陽は、国立京都陶磁器試験場で学び、備前に帰り、陶進舎を結成して陶芸活動に入った人である。勲五等瑞宝章を受賞、宮廷園遊会に招待され、また備前焼界初の伝統工芸士に認定される等、作家としても名を残す。
現代表は一陽の長男の宏造で89年に就任した。「使いやすい器づくり」をモットーに生活素材としての備前焼を目指している。木村宏造はまた、個人作家としても活動をしている。

 

木村陶正園

陶正園はJR伊部駅前本通りの正面右角の伊部の中心地にある。花器、茶道具、酒器、食器等、幅広く制作。特に茶道具と花入は種類も多く、得意とする。新しい製土設備や大きな登り窯、沢山の陶工達を抱えて、備前焼の窯元としては最大の生産能力を持つ。
陶正園は窯元六姓の名門、木村総本家興楽園12代目木村長十郎友明の子木村正二により1913年に設立された。現代表の陶峰は、戦後中央大学法学部に学び、62年に2代目に就任。戦後のきびしく長かった不況時代を乗り越え、今日の近代的大窯元に発展させた手腕は、大きく評価されている。「良い品を喜ばれる値段で」をモットーに、伝統を生かしながら現代生活にもマッチした作品づくりを目指している。

 
   
         
       
    作家紹介    
         
   

備前焼作家

   

木村宏造

1941年6月15日生まれ。 窯元六姓木村家の家系で、窯元一陽窯の木村一陽の長男。1964年金沢美術工芸大学彫刻科を卒業後、京都工芸試験所に入所して陶技を習い、翌年伊部に帰り、父の薫陶を受けてロクロ技術を習得する。また彫刻技術を生かして陶像の制作にも精励した。
1971年に第一回日本陶芸展に入選以来、数多くの受賞を受けている。また個展も77年より小田急新宿本店にて定期的に開催している。ロクロ物の大徳利や大壷には見事なものがあり、また日常使用される食器類も沢山作る。土味を生かした作品作りに精進する。
岡山県備前焼陶友会理事、岡山大学教育学部陶芸講師、(社)日本民芸協団公募展審査員、一水会陶芸部審査員、備前市商工会議所副会頭等を務める。

 

木村隆明

窯元六姓木村家の家系で、窯元一陽窯の木村一陽の二男。幼少より焼物の中で育ち、1962年から陶芸の道に入る。以後12年間、普段は優しいが仕事には厳しい父一陽から指導を受けて陶技を習い、特に特にろくろ技術をしっかり身につけた。74年、父の許しを得て二ツ塚に築窯して独立した。
既に修行中から公募展には意欲的に出品して、数多くの受賞に輝く。85年には、日本工芸会正会員に認定される。また個展は小田急新宿百貨店で隔年に開催されている。
花器、食器、酒器が多く、土味を生かした明るい焼き上がりが特徴。壷や皿などは紐づくりにして蹴ろくろで成形する。自然体で気負わず、愛情を込めて作品を作る。また若手の育成にも熱心で、備前焼作家の多久守、柴田好浩に陶技を教えた。現在、長男の雅生とともに作陶に取り組んでいる。

 

 
   
         
   

石田安弘

備前焼の魅力にひかれて陶芸家を志し、1973年に備前陶芸センターに入所して一年間研修を受けた。その後窯元六姓の流れを汲む窯元木村桃蹊堂に入り、木村憲次に師事して陶技を習得した。77年に登り窯を築いて独立する。
茶器、食器、花器のほか細工物は干支や鳥獣を制作。作品の姿と焼き味を大切にする。裏千家の茶道をたしなみ、宗弘の茶名を持つ。自宅に茶室を造り、茶を入れて相手から直接意見を聞き、作陶の参考にしている。
公募展には意欲的に出品し、数多くの受賞に輝いている。個展は83年に東京池袋東武百貨店にて初個展。2001年には地元、天満屋岡山店にて個展。陶印は名字の一字の「石」を草書にしたもの。

 

柴田好浩

祖父は木村一陽。職人の仕事に憧れ、陶芸の道を目指す。1983年に叔父の木村隆明に弟子入りし陶技を学ぶ。97年に棚板4枚、4列が入る大ウドを持つ登窯を築いて独立、初窯を出す。
すでに修行中から公募展には意欲的に出品し、日本伝統工芸展入選3回、日本伝統工芸中国支部展入選6回、日本陶芸展入選2回、一水会陶芸展入選6回、岡山県美術展入賞3回、入選7回等、立派な陶歴である。
よくつくるのは壺、花入、皿、陶板、酒器など。ろくろものを中心に、シンプルで使いやすいものを手掛ける。狙ってつくれる技術を身に付け、今後は完成度が高く洗練された作品づくりを心掛け、使う人の生活に溶け込むような作品をつくりたいという。
陶印は好浩の「好」をデザイン化したもの。

 

 
   
         
   

松原晋司

陶芸に興味を持ち、1978年から伊部で備前焼研修。翌79年から3年間中村六郎に師事し陶技を学ぶ。その後、京都で施釉陶を作陶するが、86年から再び長船で備前焼に取り組む。96年に自ら設計した登窯を築く。
花入、水指、茶碗、酒器、鉢などはろくろ成形で、皿、食器は叩きづくりが中心。作品を成形したあと、さらに変形を加えたものが多く、特に酒器は扁壺、三角などの変形を好む。作品はひとつひとつじっくり時間をかけて作り、また作品が焼き上がった後の仕上げにも時間をかけている。丁寧な仕事で完成度の高い作品づくりを心掛け、つくり、焼け、個性がバランスよく表現された作品を目指す。
東京、宇都宮、岡山、京都などで個展のほか、各地でグループ展を開催。

 

中村真一郎

備前焼作家中村幹山の次男として生まれる。幼少より土に親しむ、陶芸家で身を立てようと、1968年、無形文化財藤原建の内弟子になり、四年間厳しい修行生活に耐え陶技を習得した。さらに72年伯父の中村六郎に師事する。
個展活動に意欲を見せ、81年から福島・岡山・大阪・名古屋・東京と次々に開催。愛陶家の批評を仰ぎ、中でも銀座三越での個展は好評だった。
よく作るのは花入、酒器、食器等である。父のきめ細かい作風とは対照的に藤原建、中村六郎の影響で大胆な造形を好む。また古備前の収集にも関心があり、作風に影響を与えている。

 

 
   
         
   

安田龍彦

1984年島根大学を卒業後、陶芸の道に入る。88年窯元六姓の流れを汲む窯元木村陶正園に入り、木村陶峰、木村利正に学ぶ。98年、和気郡佐伯町に半地下式穴窯を築いて独立。
2001年に狭き門である日本伝統工芸展に初入選。同展には異例の速さで入選を重ね、06年に4度目の入選を果たし、晴れて日本工芸会の正会員に認定される。食器を中心に花器、酒器、茶器等をつくる。穴窯による土味を生かした、明るい温かみのある焼成。土にはこだわり、原土から水肥をして生成している。作品によって何種類もの土を使い分けている。丁寧に作品を作り、一年に一回のペースで窯たきを行なっている。穏やかで真面目な人柄。今後が期待される作家である。

 

クリストファー・レイヴェンホール

CHRISTOPHER RAVENHALL
1968年イギリス、ダービー州に生まれる。陶芸に興味をもち来日。89年備前焼作家の多久守に弟子入りし、陶技を学ぶ。94年窯元六姓の流れを汲む窯元木村一陽窯に入りさらに修行を重ねる。99年赤磐市石連寺に穴窯を築いて独立。
よく作るのは日常で使える食器類で、酒器、花器等もつくる。日本人には無い外国人ならではの感性による造形が魅力。特にユニークな形をしたカップ類が多い。最近では古代ケルト民族の陶器に影響を受けたという。個展活動に積極的で、全国各地で個展を開催している。今後のさらなる活躍が期待される。陶印はイニシャルのCRをデザイン化したもの。

 

 
   
         
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