土作りに始まり、土練り、成形、窯焚き、窯出しと進んでいく備前焼の製作工程。千年の歴史をもつ備前焼の歴史について。
よい作品は、よい土から生まれます。備前焼の土は山土、田土、黒土などで、備前市周辺で採取した土を陶芸家が独自の配分で混合して使います。土はよく乾燥させて細かく砕き、水にひたして小石をていねいに取り除きます。粘土にして、長時間ねかすほど良質の粘土になります。
手でよく土をもみ、粘りを増して空気を取り除きます。練るときの土の形が、菊の花に似た状態になるのを「菊もみ」といいますが、きれいな菊もみができるようになるまでに、相当な修練が必要といわれています。
粘土から形をつくります。湯呑や皿などは通常ろくろを回しますが、手だけで形を作るたたき皿や置物などのへら細工もあります。成形した作品は、日陰で白くなるまで乾燥します。これを素地といいます。
いよいよ窯に入れます。作品の表情は炎のあたり方で決まるため、窯の中の炎の流れを読んで配置します。窯詰めが終わったら、塩、御神酒(おみき)を窯に備え、よい焼き上がりを祈って火入れします。窯焚きは松割木(よく乾燥させた赤松)で、10〜14昼夜ほど焚き続けます。温度はおよそ摂氏1200度になります。温度を確認しながら薪をどんどん足していきますので、窯焚きの間はずっと徹夜が続きます。
火をとめて窯が自然に冷えるまで数日ほど待ってから、作品を取り出します。写真は運道(うど)と呼ばれる、窯の一番手前の部屋から窯出ししたところです。 おつかれさまでした。よい作品に仕上がったかな!?
備前焼は、日本古来の六古窯のなかでも、もっとも歴史が古く、焼き物の「ふるさと」と呼ばれています。須恵器の流れを汲み進歩発達したもので、一千年の間、無彩焼締めの伝統を守り続けています。上薬を用いず、良質の陶土をじっくり焼き締めることによって、土と炎の織りなす景色が生まれます。その自然美は時代の風潮や流行を超越して、多くの人々に愛されてまいりました。
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